
スギ [針葉樹]
学名 Cryptomeria japonica
科名 ヒノキ科 [スギ科](スギ属)針葉樹
産地 北海道(南部)〜九州
香り 2
硬さ 2
木目 はっきりした真っ直ぐな木目。笹杢などが現れることがある。
色 心材は黄色を帯びた赤褐色から濃い赤褐色。辺材は白っぽく、心材との境目は明瞭。
用途 建築材、建具材、天井板、樽
日本人と馴染みが深く、昔から建築材など幅広い用途に使われてきた、国産針葉樹を代表する材。現在は人工林材がほとんど。針葉樹の中でも柔らかい部類に入る。各地に有名な産地があり(秋田、吉野、北山など)、材質は地域によって異なる。東京の多摩地域にも豊富に生育している。

ヒノキ [針葉樹]
学名 Chamaecyparis obtusa
科名 ヒノキ科(ヒノキ属)針葉樹
産地 本州(福島県以南)、四国、九州(屋久島まで)
香り 4
硬さ 2
木目 個体差がある。年輪は細い。木曽ヒノキは目が細かい。
色 心材は黄味がかった白。辺材に近い付近はピンクがかった白の筋が入っていることがあり、上品でとてもきれい。緻密な木曽ヒノキは黄味が強く、目の粗い材はやや桃色味の人肌のような色。辺材はほとんど白。
用途 建築材、風呂桶、木彫(仏像など)
用途が幅広い、国産針葉樹を代表する良材。建築材の最高級品。硬さや木目に、地域や天然林か人工林などで個体差がある。仕上がりがきれいで光沢も出る。耐久性が高く、水にも強い。「ヒノキは、やっぱり王様。切ってからじわりじわりと強度が増す。粘りもある。水への強さはサワラに負けるけど」(桶職人)。香りが強く、ワークショップで子供に説明しやすいのでオススメ。

ナラ(ミズナラ) [広葉樹]
学名 Quercus crispula
科名 ブナ科(コナラ属)広葉樹(還孔材)
産地 北海道(材の主産地)〜九州
香り 2
硬さ 4
木目 大きな道管が年輪の周りに連なっており、年輪がはっきり見える。
色 心材は赤味がかったクリーム色。辺材は白っぽい。
用途 家具材、化粧単板、床材
家具材などに人気のある、国産広葉樹材の代表格。落ち着いた木目、色合い、加工性の良さなど、国産広葉樹では代表的存在。木口に放射組織が出て、柾目には虎斑が現れる。放射組織の隙間は狭い。同じ仲間のホワイトオークは放射組織の隙間が広くて、全般的にミズナラよりも硬い。

サクラ(ソメイヨシノ) [広葉樹]
学名 Prunus × yedoensis
科名 バラ科(サクラ属)広葉樹(散孔材)
産地 全国各地に植栽
香り 2
硬さ 4
木目 ねじれて成長するため、木目もねじれ気味。木口の放射組織がやや目立つ。
色 ピンクに緑色が混じった上品な明るめの色。ヤマザクラの色に近い。
用途 小物類。ねじれや割れが多いので、家具には向いていない。
花は美しいが、ねじれて割れる素直でない材。オオシマザクラとエドヒガンの雑種とされ、鑑賞木として各地に植栽されている。ねじれ上がりながら成長するので、真っ直ぐな目の材がとれない。幹の中に空洞ができやすい。乾燥中にねじれて割れてしまうことが多い。このような理由から、木取りするのが難しい。乾燥後も暴れる。材としての使用は敬遠されるが、鑑賞木として人気がある。

クス [広葉樹]
学名 Cinnamomum camphora
科名 クスノキ科(ニッケイ属)広葉樹(散孔材)
産地 本州(関東以南)、四国、九州
香り 5
硬さ 3
木目 縮み杢や玉杢などの杢が現れる。心材と辺材の境目は不明瞭。交錯木理あり。
色 複雑な色合い。白っぽい地に、黄色系、赤色系、緑色系などが混ざっている。赤が濃い場合もある。
用途 仏像、木彫、家具材、建築内装材(床柱、欄間など)、樟脳の原料
樟脳の香りの強さや杢の出現に特徴あり。大径木で大きな材がとれる。広葉樹の中では、比較的柔らかい(トチと同程度)。強い匂い、杢が出る、複雑な色合いなどの特徴がある。硬くないにもかかわらず、逆目が目立つこともあり、意外と加工しづらい。乾燥の際、暴れやすい。昔はセルロイドや樟脳の原料とするために、各地でかなり植林された。香りが強く認知度も高いため、ワークショップでよく使われる。

ケヤキ [広葉樹]
学名 Zelkova serrata
科名 ニレ科(ケヤキ属)広葉樹(環孔材)
産地 本州、四国、九州
香り 3
硬さ 3〜5
木目 大きな道管が年輪の周りに連なっているので、年輪がはっきり見える。
色 心材はオレンジ色、辺材はほんのり淡い黄色。心材と辺材の境目は明瞭。
用途 家具、建築材、床柱、木彫、工芸品など。工芸品の用途別に対応が可能。
日本の広葉樹の代表的存在。真っ直ぐに生える大径木。耐久性が高いなど、材質に優れている。硬さなどに個体差があり、用途や好みによって材を選べる木として重宝される。暴れ方の個体差も激しい。家具や大黒柱などに昔から使われ、生活に根ざしてきた、日本の広葉樹の代表的な木。

クルミ(オニグルミ) [広葉樹]
学名 Juglans mandshurica var. sachalinensis
科名 クルミ科(クルミ属)広葉樹(散孔材)
産地 北海道〜九州
香り 1
硬さ 3
木目 木口に道管が大きく出る。散孔材にしては、年輪が比較的はっきり見える。
色 紫がかった暗色(黒っぽい紫色)。ブラックウォルナットの基調をかなり薄くした感じの、くすんだ褐色。色ムラあり。
用途 家具材、木彫、クラフト小物
加工性のよい木工初心者向きの材。硬くもなく柔らかくもなく目が真っすぐで、材として使い勝手がよい。入手もしやすい。道管が大きく、乾燥は容易で暴れにくい。粘りもある。わりと大きな材がとれるので天板にも使える。ブラックウォルナットよりも少し柔らかく感じる。クルミオイルとの相性が良いため、ワークショップでよく使われる。

カキ [広葉樹]
学名 Diospyros kaki
科名 カキノキ科(カキノキ属)広葉樹(散孔材)
産地 本州、四国、九州
香り 1
硬さ 4
木目 年輪がはっきり見えない。木肌は滑らかだが、柿渋成分のアクのようなブツブツが出る。
色 やや灰色味がかったアイボリー系の色の中に、黒い点々が木肌に出る。
用途 床柱などの建築装飾材、寄木細工、象嵌、工芸品
かなり硬い材だが、「ボケ」の部分に要注意。柿の木はねじれて成長するので、らせん状に割れが入りやすい。そのため、材をとりにくく流通量が少ない。乾燥後はかなり硬くなる。カキの中で、心材に黒い縞が入っているものや黒面が広がっているものをクロガキと呼び、高級材として取引される。通常、カキやシロガキの名で流通している材は、クロガキのような模様が入っていないものをいう。